シグナルトレーサを作る

シグナルトレーサは、回路のあっちこっちを探って故障診断に使うものです。 使い方はまず入力のマイナスをおもちゃの電源マイナス、入力プラスにテスト棒を付けて探ります。
直流電圧のかかっている場所に振れると「プツッ」と音がします。音声出力の端子に触れると、正常なら小さ目の音、音声増幅後の個所に触れると大きな音がします。音が途切れる場所を順にたどっていくと故障個所を特定できます。キーボードなど入力の多いおもちゃではICの入力側の足でもキーをスキャンする音が聞こえるものがあります。音から波形を想像するのも楽しいものです。

 

1. トランジスタ2石のアンプ

 

「電流帰還バイアス回路」の設計を通して電子回路を学習する事を狙いとした。

従って各々の部品の働き、各段階でどの様に信号が変わるのか、その各段階での動きをLtspiceを使ってシュミレーションし、知見を得られるようにした。

内容は、下からダウンロードして欲しい。

トランジスタによるシグナルトレーサーの製作.pdf
PDFファイル 2.3 MB

2. LM386を使ったアンプ

 

 電子回路の中で簡単にスピーカーを駆動したい場合は、ナショナルセミコンダクター社のLM386Nが簡単。150 円の386 はオーディオアンプ用 IC の定番品。これ 1 個と数個の部品でアンプが作れてしまい、 出力も 1 W 程度は出るので、増幅率が20倍でよければ部品の数はたったの4個だけで済みます。おもちゃの病院で使うには十分な大きさの音量があります。

回路は何処でも見かける事のできる標準的なものなので特に説明は要しないと思うが、LM386は端子の1番と8番を接続しないとゲインは20倍になるように設計されている。C2だけを接続するとゲインは200倍になる。更にR3を付け加えるとゲインは50倍になる。

制作したものは色々と試した結果50倍が適切と感じたので回路図のようになった。R3を可変抵抗にすればゲインの変更ができる。

電源は携帯できるように乾電池での動作とした。386は5Vでも動作するが、006P9V乾電池を使うことにした。音質は自分で音が確認できる範囲であれば良しとして追求しない。

回路図をもとに回路基板を作ったので製作の一助になればと思う。